トラブルシュート おすすめ タグ: IPv6 ルール分流 Mihomo

Clash で IPv6 を有効にしたら中国向けサイトだけ遅い漏れ検査で異常インタフェースルールで順に切り分ける(2026)

プロキシはオンなのに、中国本土向けサービスだけ応答が重い、あるいは IP 診断サイトで「プロキシ経由」「デュアルスタックが想定外」と表示される——この手の混乱は、IPv4 だけを想定したルールと、実際に流れている IPv6 の経路が噛み合っていないときに起きやすいです。インタフェース束ねDNS(AAAA)GEOIP/IP-CIDR6 の評価順、TUN や OS のスタック設定を一段ずつ確かめると、Mihomo/Clash Meta 系でも原因が絞れます。本稿は GEOIP・中国本土 DIRECTWebRTC/DNS 漏れの記事と補完関係にあり、IPv6 と Clash の両立に焦点を当てます。

読了時間:約20分
Clash 編集部

1. 症状の読み方(IPv4 と IPv6)

ClashIPv6 をオンにした途端、中国本土向けのウェブサービスだけ読み込みが重くなったり、IP チェック系サイトで「HTTPS の出口はノードなのに別行では実回線」「デュアルスタックがおかしい」と表示されたりする場合、まずは同一ホストに対して IPv4 と IPv6 のどちらで繋いでいるかを分けて考えます。多くのサイトは AAAA レコードを返し、OS はハッピーアイボール等で先に決まった方へトラフィックを載せます。IPv4 だけを想定して書いた GEOIPIP-CIDR だけでは、実際には IPv6 アドレスで評価されており、意図しない PROXY や逆に遠回りの DIRECT に落ちている、という非対称が起きえます。

ここでいう「漏れ」は、ブラウザの WebRTC だけが抜けるタイプ(WebRTC/DNS 記事)とは層が異なります。IPv6 が別 NIC/別ゲートウェイへ直行している、あるいは DNS が返す宛先アドレスファミリClash がルールマッチに使う情報がずれている、といった話です。症状を一度に直そうとせず、名前解決 → 実際の宛先 IP(v4/v6)→ ヒットしたルールの順でログに書き写すと整理が早いです。

ヒント:IPv6 をオフにすると問題が消える対照実験は有効ですが、恒久対策としては「IPv6 を殺す」のではなく、ルールと DNS を IPv6 前提で揃える方が、将来の二重メンテを減らせます。

2. インタフェース束ねとデュアルスタック

TUN や透明プロキシ系のクライアントでは、どの物理/論理インタフェースから外に出すかを YAML や GUI で指定します。Mihomo 系では interface-namerouting-mark、BIND 系のキーが文脈によって現れ、ここがIPv6 有効な NIC実際にプロキシが張っている NICで食い違うと、Ping は通るがブラウザだけ遅い、といった分裂が起きます。Wi-Fi と有線、および VPN アダプタが同居している環境では特に、既定ゲートウェイの IPv6 が OS 側でプロキシとは別ルートを指していることがあります。

実務のチェック項目としては、(1) OS のネットワーク詳細で IPv6 のゲートウェイがどこか、(2) Clash のログで dialbind に関する行がないか、(3) ルータ側で IPv6 パス MTU やフィルタが変になっていないか、を並べます。TUN と Windows のルート記事では IPv4 中心に書いていますが、「カーネルに載せたトラフィックが別スタックへ逃げる」という発想はそのまま転用できます。

注意:IPv6 を無効化したうえで問題が消える場合でも、ISP・ルータ・クライアントの三者のどこで止めたかが異なります。恒久対応ではクライアント内だけで IPv6 を握りつぶさず、期待する経路にそろえる設定を優先してください。

3. DNS と AAAA の優先順位

DNS が返すのが A だけか AAAA も含むかで、アプリケーションが張るソケットの種類が変わります。Clashdns ブロックで fake-ip を使っている場合でも、上流から返るレコードの組み合わせと、クライアントがどのアドレスでコネクションを張ったかは別問題です。enhanced-modeprefer-h3、DoH の選択など、実装とバージョンでキー名が異なるため、ここでは手順の骨格だけに留めます:(1) 問題のドメインを dig または GUI の DNS ログで見て AAAA がいつ付与されるか確認、(2) OS/ブラウザの「IPv6 を優先」設定がプロキシより先に効いていないか、(3) fake-ip 記事のとおり fake-ip-filter に国内 CDN を足すべきか検討、です。

中国本土向け CDN は IPv6 のエッジが混在しやすく、同名でも経路だけ IPv6 が混むと RTT が跳ねます。一度 IPv4 のみで名前を解くテスト(環境に応じて)と、IPv6 を許容したうえでルールを整えるテストを分けると、ボトルネックが DNS かルールかが判別しやすくなります。

# Conceptual — key names depend on your Mihomo / Meta version
dns:
  enable: true
  ipv6: true
  enhanced-mode: fake-ip
  nameserver:
    - tls://...

4. GEOIP/IP-CIDR6 とルール順

GEOIP,CN のようなルールは、コアとデータベースの実装次第で IPv4/IPv6 の両方を扱うことがありますが、一部の古いルールセットでは IPv4 前提に見える記述が残ることがあります。その結果、中国本土向けサイトにIPv6 で張ったコネクションだけがデフォルトの MATCH に落ち、海外ノードへ無駄に迂回したり、逆に DIRECT を期待していたのに別策略へ割り当てられたりします。GEOIP と DIRECT の記事とセットで、IP-CIDR6 を明示的に補うか、ルールプロバイダをIPv6 対応が明記された版へ更新するかを検討してください。

rules:上から順です。広い RULE-SET が細かい追記より上にあると、IPv6 向けの例外が一生効きません。ログで「どのルール名がヒットしたか」を確認し、必要なら追記ルールを上へ移動するか、サブルールを分割します。

ログ・画面のサイン まず疑う層
宛先が 240 始まりなど IPv6なのに GEOIP が効いていない IP-CIDR6 不足、ルール DB の更新、評価順
HTTPS は速いが別ホストだけ遅い そのホストだけ AAAA/別 CDN、分流ルールの取りこぼし
診断サイトで出口が混在 ブラウザが複数接続を張り、ルールがホストごとに分岐

5. TUN・システムプロキシとスタックのずれ

システムプロキシのみのとき、アプリによっては IPv6 のソケットがプロキシ設定を無視する実装があります。TUN モードはカーネルレベルでトラフィックを捕捉するため、IPv4/IPv6 を同じポリシースタックに載せやすい反面、既存 VPN や企業ポリシーとルート競合しやすいというトレードオフがあります。TUN のトラブルシュート記事で全体断を潰したうえで、本稿の IPv6 の話に戻ると安全です。

また、ブラウザの Secure DNS が有効だと、名前解決だけがプロキシ外に出て AAAAA のバランスが変わり、結果としてIPv6 だけ別出口に見えることがあります。検証時だけ Secure DNS をオフにし、Clash の DNS と単一化する対照実験は有効です。

6. ログと検証サイトの見方

Mihomo/Meta 系では接続ログに タイプ(TCP/UDP)宛先ホスト/IPマッチしたルールチェーン先が並びます。問題が出ているドメインについて、(1) IPv4 で張った接続IPv6 で張った接続でルールが変わらないか、(2) 同じホスト名でもアドレス種別で別ルールに落ちていないかを比較してください。外部の IP 診断サイトはフィーチャーフラグや並列テストが多く、一行だけ見て結論を出さないのがコツです。

セルフチェックの例:(1) 現行クライアントへ更新、(2) IPv6 を一時オフにした対照、(3) TUN とシステムプロキシのどちらで再現するか、(4) ルールプロバイダの更新、(5) 別ノードでの再現性、(6) dns と fake-ip の整合。これでも改善しない場合は、ISP 側の IPv6 経路や MTU、キャリアグレード NAT の癖まで疑う段階に入ります。

  1. コアと GUI を最新に:IPv6 周りの修正は継続的に入ります。
  2. ログを宛先 IP でフィルタ:IPv6 のみ遅いかを特定。
  3. GEOIP/RULE-SET を更新:データが古いと誤マッチ。
  4. ルール順を再確認:上位の広いルールに吸われていないか。
  5. DNS を単一路に:DoH と Clash の二重解決を避ける。

7. まとめ

Clash IPv6 を有効にしたあとにだけ現れる「中国向けサイトの遅さ」や「診断サイトの変な表示」は、IPv4 だけを前提にしたルール・DNS・OS 設定とのギャップとして説明できることが多いです。インタフェース束ねAAAA の扱いGEOIP/IP-CIDR6ルール評価順TUN と DNS を順にそろえれば、プロキシ漏れと誤解される現象か、単なる迂回や RTTかがはっきりします。

設定の細部はコアのバージョンで差があるため、常に公式ドキュメントとリリースノートを正とし、ログの実名でルールを追記してください。長期的には IPv6 を無効のまま固定せず、期待する経路に合わせてルール側を IPv6 対応へ育てるのがおすすめです。

プロファイル全体の組み立て方は ドキュメント概要と合わせて読むと、dnsrules の責務分担が掴みやすくなります。

Clash を無料ダウンロードし、IPv6 とルールを揃えた安定運用を試す